勤怠管理システムを探しているとき、ほんとうに知りたいのは「どれが安いか」ではなく「何をどこまで残せば足りるのか」だと思います。
このページは、法律が求めていることを条文で確かめて並べたものです。出どころは最後に置いています。
労働安全衛生法66条の8の3は、「事業者は…厚生労働省令で定める方法により、労働者…の労働時間の状況を把握しなければならない」と定めています。努力義務ではなく、義務です。
その「厚生労働省令で定める方法」は、労働安全衛生規則52条の7の3で「タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法」とされています。本人の自己申告だけで済ませることは、ここで想定されていません。
同じ規則の第2項は、把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければならない、と定めています。
| 残すもの | 根拠と年数 |
|---|---|
| 労働時間の状況の記録 | 3年間(労働安全衛生規則52条の7の3第2項) |
| 賃金台帳 | 賃金支払の都度、遅滞なく記入する(労働基準法108条)。保存は下の行のとおり |
| 労働者名簿・賃金台帳・労働関係に関する重要な書類 | 労働基準法109条は「五年間」。ただし附則143条により、当分の間は「三年間」と読み替えます |
条文の5年と、実務で言われる3年が食い違って見えるのは、この附則があるためです。紙のタイムカードを箱に入れて置いておく方法でも、3年分が探せる状態なら要件は満たします。探せないことが問題になります。
| 区分 | 時間 |
|---|---|
| 限度時間(原則) | 1か月について45時間、1年について360時間(労働基準法36条4項) |
| 限度時間(1年単位の変形労働時間制で対象期間が3か月を超える場合) | 1か月について42時間、1年について320時間(同項) |
| 特別条項を結んだ場合の1年 | 720時間を超えない範囲(労働基準法36条5項) |
| 特別条項を結んだ場合の1か月 | 休日労働を含めて100時間未満の範囲(同項・同条6項2号) |
| 限度時間(月45時間)を超えられる月数 | 1年について6か月以内(労働基準法36条5項) |
| 2か月から6か月までの平均 | 休日労働を含めて1か月あたり80時間を超えないこと(労働基準法36条6項3号) |
2〜6か月平均の80時間は、1か月ごとに区分した各期間に、その直前の1か月・2か月・3か月・4か月・5か月の期間を加えたそれぞれの期間で見ます。つまり、ある1か月が100時間未満に収まっていても、前の月との平均で超えることがあります。月ごとの数字だけを見ていると気づけません。
打刻忘れや押し間違いは必ず起きます。直すこと自体は問題ありませんが、直した記録だけが残って、いつ・誰が・なぜ直したのかが残らないと、記録そのものの信用がなくなります。訂正の理由を一緒に残しておく運用にしてください。
ブラウザだけで使えます。インストールは要りません。
このツールは勤怠の記録と集計を補助するものです。割増賃金の額や36協定の判断そのものについては、顧問社会保険労務士または所轄の労働基準監督署にご確認ください。GPSによる位置の記録や、給与計算そのものの機能はありません。
義務です。労働安全衛生法66条の8の3が「把握しなければならない」と定めています。方法は労働安全衛生規則52条の7の3で、タイムカードやパソコンの使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とされています。
労働時間の状況の記録は3年間です(労働安全衛生規則52条の7の3第2項)。労働者名簿・賃金台帳などは労働基準法109条で5年間とされていますが、附則143条により当分の間は3年間と読み替えます。
いいえ。特別条項を結んだ場合、1年720時間以内、1か月は休日労働を含めて100時間未満、限度時間を超えられるのは1年に6か月以内、そして2か月から6か月までの平均が1か月あたり80時間以内、という条件がすべてかかります。月ごとの数字だけでは平均の条件を見落とします。
規則が挙げている方法にタイムカードによる記録が含まれているので、それ自体は問題ありません。問題になるのは、3年分を探せる状態で保存できているかどうかです。
規則は「客観的な方法その他の適切な方法」を求めています。自己申告のみに頼る運用は、ここで想定されている方法から外れます。